iPhoneとコンビニコピー機で、PDF楽譜を印刷する話 ①アプリ準備編
音楽活動をやっていて、楽譜データをPDFで配布する方法も随分一般的になりましたが、実際に演奏する際は紙に印刷することがまだまだ多いです。
iPadや電子楽譜専用端末は高価ですし、オーケストラなどの演奏形態ではそれらが使えない場面もあります。
そんな中、「紙の楽譜が必要だけど、家で印刷できない」という方へ、iPhoneで開いたPDFを直接コンビニコピー機で印刷する方法を紹介します。
3大コンビニチェーンでの差異についても少し触れます。
こんな方にオススメ
- PCまたはプリンターを持っていない
- 家のプリンターではキレイに印刷できない
- メールの添付ファイルやリンクで共有されたファイルをiPhoneで開いた後、そのまま印刷したい
コンビニコピー機で楽譜を印刷するメリット
A3用紙に印刷できる
家庭用プリンターの多くは、A4用紙までしか対応していません。A3用紙に2アップ（2ページを1枚）で印刷すれば、ページ間をテープで貼ったりしなくてもキレイに見開き状態になります。
また、オーケストラのパート譜やスコアのようにページ数が多い楽譜の場合は、製本印刷が便利です。A3用紙を半分に折って中央をホチキス留めすれば、片面A4の冊子の出来上がり。譜めくりも見開きも簡単です。
2アップや製本印刷の場合、コピー料金が2ページで10円と半分で済むのも地味に嬉しい点です。
紙に書き込みやすい
家庭用プリンターに多いインクジェット印刷は、以下のような特性から書き込みがしにくく、楽譜としての用途には不向きと言えます。
- インクジェット専用紙は、シャープペンや鉛筆で書き込みにくい
- 蛍光ペンや消しゴムを使うと、インクが滲む
コンビニチェーン別の差異
「専用アプリにPDFを読み込み、コピー機へ送信して印刷」というのはどこも同じですが、細かな仕様が異なります。近隣で複数利用できる場合は、アプリを2種類ともインストールしておき、用途に応じて使い分けるのがいいでしょう。
セブン-イレブン
- 対応アプリ：マルチコピー
- 製本印刷：○
- 支払方法：現金（紙幣は不可）、nanaco
電子マネーのnanacoが使えるのは大きな利点です。半面、現金は硬貨しか使えないため、大量に印刷する際は予め両替が必要です。 - その他：PDFの種類によっては読み込めない場合がある
海外からダウンロードしたパブリックドメインのPDF楽譜が、セブンのコピー機でだけ読み込めないことがありました。確かな基準が不明ですが、ページサイズや縦横比がJIS規格（B5～A3）と大幅に異なっていると非対応？というのが体感です。
ローソン
以前はローソンとファミマが同一機種でしたが、最近ローソンのコピー機が刷新され、製本印刷にも対応するようになりました。
- 対応アプリ：PrintSmash
- 製本印刷：○
- 支払方法：現金（千円札対応）
ファミリーマート
- 対応アプリ：PrintSmash（ローソンと同じ）
- 製本印刷：×
- 支払方法：現金（千円札対応）
なお、製本印刷非対応のプリンターで製本印刷する方法もあります。これは別にまとめます。
楽譜の入手
今回は、IMSLPというWebサイトを利用します。
メインページ - IMSLP: Free Sheet Music PDF Download
主にクラシック音楽で重宝されている、著作権が切れてパブリックドメインとなった楽譜*1をPDFでダウンロードできるサイトです。
現在活動中の作曲家・編曲家が、自作の楽譜を公開するのにも使われているようです。
IMSLPのアプリがある
IMSLPへはブラウザでアクセスする方法が主ですが、実は公式のiOSアプリがあるので、今回はこれも使いましょう。
必要なアプリが準備できたら、次の記事でPDF楽譜のダウンロード～印刷までを実際にやってみます。
